内容紹介
成功者を「凡人の自分とは違う天才」「ただラッキーな人」と位置づけて、成功しているということは失敗とは無縁のはずと思い込んでいる人が、世の中にはなんて多いことだろう。成功者こそ多くの失敗をして、トライアンドエラーを繰り返しながら今の成功をつかんでいるというのに。
2014年当時、36歳で東京大学教授に就任した筆者は、失敗を恐れる今の人間社会を「あまりに不自然だ」と言い切る。人間を構成している細胞や分子にはそれぞれ個性があり、それぞれがたくさんの失敗を起こしているからだ。「身体を構成している細胞が失敗を繰り返しているのだから、私たち人間もまた失敗するのは当たり前のこと」だと語る。
この本は筆者自身の体験や、時には失敗談を基にした「失敗との向き合い方」を、筆者の専門分野である細胞や分子から学ぶ一冊になっている。読み終わる頃には、読者にとっての失敗の捉え方が大きく変わるだろう。そして他人の意見に左右されることなく、やりたいことを目指してチャレンジしていく勇気をもらえるはずだ。
【著者プロフィール】
上村 想太郎(うえむら・そうたろう)
東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 教授。2014年当時、36歳で東大教授に就任。物理、生物、化学の分野を横断した「1分子遺伝学」をテーマに、基礎研究から応用研究まで幅広い分野で研究を行っている。世界経済フォーラム ヤンググローバルリーダーなども務める。