起業する動機は人それぞれだが、どうしても外せない要因が一つある。お金だ。綺麗事を抜きにして考えるなら、多くの人はお金持ちになりたい、という願望に基づいて、ビジネスオーナーを志す。

もちろん、お金持ちになろうとすることは、何も間違っていない。そうすることで、実際にお金持ちになった人は大勢いる。それも一つの成功だと思うから、私はそれを否定するつもりはない。

しかし、お金持ちになることが、すなわち幸せで、事業として安定していて、上手な経営とイコールであるかと言われれば、そうとは限らない。例えばお金を何十億円持っていても、毎日働き詰めでは、使う余裕はないはずだ。これでは、幸せとは言えないのではないか？　またそこに事業としての安定性があって、上手い経営をしているという裏付けもない。

お金持ちになりたいという願望の向こう側に、「より幸せになりたい」「不幸になりたくない」という思いがあるはずだ。それこそ、最も大切にしたいもののはずだ。

そのためには、単なるお金持ちではなく、時間持ちにならなければいけない。時間持ち、という言葉の意味がわかったとき、きっとあなたの人生は大きく動き出すことだろう。

そしてお金持ちになることはもちろん、時間持ちになることも、決して超人的な能力を求めるものではない。「やる」という覚悟を持ち続ければ、必ず成し遂げられることだ。「やるか、やるか、やるか」。一見、シンプルな言葉遊びにも見えるこの理念があれば、簡単とは言わないまでも不可能ではない。

本書は、真の意味で幸せになりたい起業志望者に贈る一冊である。

【目次】
はじめに

第１章遊びがビジネスに変わる瞬間
19歳のビジネス
経営者の宿命たる大ピンチ
バックパッカーとして

第２章 金持ちよりも時間持ち
西洋人が働かない理由
お金持ちの定義

第３章時間持ち、お金持ちになるための知恵
後回しを治すだけでも人生は変わるかもしれない
キャッシュフロー分散とサブスクリプションビジネスの妙
思いが仕事の出来になる
去年と何も変わらない恐怖
効率的に動いて回ること

おわりに

【著者プロフィール】
金岡嵩尚（かなおか　たかなお）
1992年生まれ。株式会社シンセイ代表取締役。京都外国語大学在学中、19歳にして起業。国際交流に主眼を置いたイベント事業、及び輸入転売事業に取り組み、経営者としてのキャリアをスタートさせる。その後、就職をすることはなく経営者としての道を突き進み、株式会社シンセイを設立、現在は２社で代表を、４社で役員を務めるように。また、仕事斡旋用のオンラインサロンなども運営するなどし、幅広く活躍している。好きな言葉は、「やるか、やるか、やるか」。