
内容紹介
発達障がいを抱える人は、どのように生きて、どのように幸福を目指せばよいか。
その問いに、唯一の正解はありません。なぜなら、発達障がいとひと口に言っても、その特性や困りごとは人それぞれだからです。だからこそ、生き方や幸福の形を見つけづらいのだと思います。
「普通」になろうとすることに疲れ、「みんなと同じ」を目指して自分をすり減らしてきた人も多いでしょう。誰かと比較して、自分自身を見失ってしまう人も多いでしょう。
だからこそ必要なのは、周囲に合わせる努力ではなく、自分自身の特性を深く理解し、それに合った生活や働き方、環境や人間関係を選び取っていくための取り組みです。
できないことに目を向け続けるのではなく、できることに光を当てる。誰かと比較するのではなく、自分らしく生きる。無理に社会に「適応」しようとせず、自分がもっとも幸せに生きられる方法を探す。その積み重ねが、他人と比べることなく、静かにしあわせを感じられる生き方へとつながっていきます。
「こうあるべき」に縛られる必要はありません。
「自分はこのままでいい」と思える場所を、自分の手で見つけていく。
本書は、発達障がい当事者の方に向けた「お手紙」です。
【目次】
はじめに
第1章 著者のこれまでの半生について
著者の生育歴と障がいの容態について
「人と同じではない」ということに悩むつらさ
人の気持ちがうまくつかめない
第2章 発達障がいと向き合い、自身の強みとするための道のり
発達障がいは、強みで才能である
自分のことをまず理解しよう
やれるようになるより、やりたいことを見つける
自分のよいところを探していこう
自分のウィークポイントに対策をする
第3章 周囲のサポートの獲得と当事者との向き合い方
周囲のサポートこそが最大の療法になる
医療を信じて頼る
自分にフィットした環境を見つけよう
第4章 発達障がいに関するQ&A
Q.子どもに発達障がいであることを伝えた方が良いですか。
Q.もしも子どもに伝える場合、発達障がいと診断が下りた時点で、子どもに対して、どのように説明した方が良いですか。
Q.子どもが発達障がいと分かったときに「自分は障がいなんだ」と自分を追い詰めないか心配です。
Q.癇癪(かんしゃく)を起こしたら、どのように対応したらいいですか。
Q.みんなADHDでは無いのですか。
Q.ADHDは甘えではないのですか。
Q.どのようにして発達障がいを受け入れましたか。
Q.発達障がいを受け止めるまでに、どのくらい時間がかかりましたか。
Q.私の発達障がいを親が認めてくれません。どのようにしたら認めてくれるでしょうか。
Q.発達障がいは「個性」ではないのですか。
おわりに
【著者プロフィール】
佐々木 龍之介(ささき りゅうのすけ)
1997年生まれ、山梨県出身。
発達障がいのADHD(注意欠陥・多動性障害)の当事者。
学童期から落ち着きがなく、授業を真面目に聞けない、人と同じことができないなどの課題感を抱える。2021年、医師から診断結果を下され、自身がADHDであったことを知る。
現在はカメラコミュニティを運営するかたわら、発達障がいを抱える当事者の支援活動を実施している。