内容紹介
新型コロナウイルスの流行下で、多くのビジネスが打撃を受けました。なかでもダメージが大きかったのが飲食店。職を失った人はもちろん、「2020年以降の打撃から立ち直れない」という人も多いのではないでしょうか。
しかし、この本の著者・安藤育敏氏はコロナ禍という未曾有の逆境の中、様々なビジネスをスタートし大きな注目を集めます。「炊飯廃棄米」を使ったビールの開発、レトルトカレーを使ったFC展開、OEM事業、そして「規格外米」で作った米粉『箔米粉』による新たな戦略……。
なぜ、安藤氏は順調に成長できているのか? それは、安藤氏がさまざまな「逆境」を経験してきたことと大きな関係があります。母子家庭に生まれ、祖母宅に育ったという貧しい生育環境。10代で感染した食中毒から拒食症に。働きすぎで発症した椎間板ヘルニア。20代半ばで突然負うことになった1200万円の借金。30代では声帯ポリープと交通事故……。
安藤氏の人生には、普通の人の人生の何倍、いや何十倍もの逆境が降りかかっています。もしかしたら、この中の1つだとしても自分だったら立ち直れないのは…そう思う人も多いかもしれません。しかし、安藤氏は言うのです。
「逆境が来ると“またチャンスが来た”と思う」
と。
逆境を乗り越えるためには、単なるポジティブ思考でもダメ。かといって「なんで自分だけこんな目に」というネガティブ思考でもダメ。ネガティブなどん底の状態を突き詰めるからこそ、あとは上向くだけというプラス思考が生まれた状態になれる。そんな「プラティブ思考」こそが成功のカギ、そう安藤氏は語ります。
このプラティブ思考は単に逆境を乗り越えるための手段だけでなく、30代〜40代で直面しがちな「キャリアに対する漠然とした不安」、いわゆる「キャリアの思春期」を解消する手段にもなります。自分の現状を変えるとしたら、どうやって一歩を踏み出すのか。プラティブ思考はこの「一歩を踏み出せない」人への、不安を解消する手段にもなるのです。
一端収まったように思えるコロナ禍ですが、どんな人にも逆境というのはさまざまな形で降りかかります。未来のことは、誰にもわかりません。
だからこそ、今必要なのは「逆境をチャンスにする」力。そしてその考え方を得られたら、自分の将来やキャリアについてモヤモヤしている人への大いなる力になるはず。
この本は安藤氏の今の活動を紹介しながら、「プラティブ」思考を得るためのヒントとなる。そんな1冊です。
【目次】
はじめに
第一章 僕の「逆境」をお話ししよう
・貧しかった少年時代とおばあちゃんに学んだこと
・僕の人生は「逆境」のオンパレード
・あの頃の「雑草魂」を求め、オーストラリアへ
・帰国後に開いた「カリーカフェ」が成功、ところが…
・コロナ禍で思いついた「炊飯廃棄米ビール」と思わぬ反響
第二章 「プラティブ思考」のススメ
・「突き抜けた逆境」は、成功へのチャンス
・ネガティブを突き詰めることは「自分自身と向き合う」ことでもある
・「まったく真逆を考える」が、マイナスをプラスに導いてくれる
・キャリアの思春期は「失敗しても大丈夫」で乗り越える
・成功するために必要なのは「素直さ」
・必要なのは「覚悟を持つ」こと
第三章 SDGs請負人が語る「コロナ禍以降のビジネス」
・「今が一番しんどい」飲食店の現状
・思いがけず得た「SDGs」請負人というポジション
・FC事業を通して、多くの人に「チャンス」を得てほしい
・大切なのは「あと一つ」という気持ち
おわりに
読者特典
著者プロフィール
【著者プロフィール】
アンディ社長 / 安藤 育敏(あんどう・いくとし)
大阪市西淀川区出身在住 1982年3月1日生まれ
(株) Zipangu Food Relations 代表取締役
FLOA Facilitator合同会社共同代表
Zipangu Curry Café 代表
2014年、所持金5万円でオーストラリアに渡豪。数多くのカフェや異国の文化に触れ、日本人のDNAに刻まれた〈出汁DNA〉を再確認する。帰国後2017年、和風出汁カレー×カフェの融合である「ジパングカリーカフェ」をOpen。
2019年、(株)ジパングフードリレーションズ設立。「ひこにゃん」や「今年の漢字」の仕掛け人である殿村美樹のもとでパブリックリレーションズを学ぶ。同年11月、大阪市のミッションに参加し、マレーシアへ。JETROやMIDA(投資開発庁)と友好関係を作り、商工会議所2020年版冊子にて注目の企業として紹介される。
2020年4月、新型コロナの緊急事態宣言により、壊滅的な被害を受け倒産寸前になるが、逆境をチカラに変え、新規事業であるフランチャイズ事業をスタート。またレトルトカレーを開発し、量販店への小売、飲食店への卸売、一般客への通信販売などのD2C事業を立ち上げ、V字回復を見せる。
また、コロナ禍で増えた炊飯廃棄米をビールに変える『箔米ビール』をシンガポールの企業との協業によって開発。「廃棄される米達に箔をつけたろ!なんとかせなあかん!」を合言葉にSDGs事業である「箔米堂」ブランドを立ち上げ。
規格外米を使った米粉『箔米粉』を開発の他、箔米粉を使った『箔米カレー』なども開発。逆境をアイデアに変えた箔米プロジェクトは、2023年1月には農林水産省から賞を受賞。それらの様子が数多くの新聞やテレビ番組で取り上げられ、創業から2023年6月現在までで、300本超のメディア取材を受ける。現在は『懐かしい日本の味を、未来へ、世界へ』をテーマに、世界展開を模索し、ビジネス領域を広げている。