内容紹介
石のお墓だって傷みいつかは刻んだ文字さえかすみます。
この世に「永遠に朽ちない」なんてそうはありません。
人の思い出もその人が亡くなれば語り継がれない限りやがて消えていくでしょう。
もし百年後にあなたが生きた証が遺るとしたら今現在考えうるのは「ネット」の中だけかもしれません。
いきなりタイトル「ネット墓」と見て驚かれたかたもいることでしょう。「ついにお墓もバーチャルの時代か…」いいえ。そんな大仰な提案ではありません(笑)ご安心下さい。
本書は葬儀や埋葬に関し事細かに「すべき事」を慣習から拾い集める、マナーや知識を指南するいわゆるノウハウ本ではありません。
本書でお伝えしたいこと。もったいぶらずにズバリ言います。葬儀に、お墓に、お金をかけない、しかしみんなが「良いお別れだった」と思っていただけるギミック(仕掛け)です。そのために「何を省くか」そして大事な「何を加えるべきか」
高いお金をかけ葬儀をすること、高いお金をかけ墓を設けること。それが悪いことではありません。みなさんご自身が納得しているならそれは正しく幸せなことです。
重要なことはいつの日か家族や近親者の葬式に臨むにあたり基本的な考え方や態度、方針です。
ひいてはあなた自身の葬儀や墓に対する準備にもつながることとなるでしょう。
ご自分たちがどんな形を望んでいるかはイメージを持たれているかたもいらっしゃるでしょう。しかし残念ながら日本においては葬儀も墓も「パーソナル」ではなく「ファミリー」です。
例えば先祖代々の墓がありながら自分の信念で自分だけが散骨を選ぶことは勇気がいることです。ご先祖や家族、親族が少なからずかかわることですから簡単には叶わないかもしれません。だからこそあなた自身の気持ちが大事なのです。
もちろん最初にお話ししたように私どもはお金をかけた従来の葬儀やお墓を否定はしません。
その上でお金がかからない「+α」の形があります。
これを読むあなたが潤沢なお金をお持ちだろうが無かろうが、「葬儀不要、お墓不要」のかたはもちろん、可能な限り慣習を踏襲したいコンサバティブなかたまで、いま考え得る「終活」を更に良い形にしませんか。
人と人のあらゆる「距離」に間隔を求められコミュニケーションが難しくなるなか、葬儀やお墓などに対する考え方も多様化しつつあります。
コロナ禍の影響もあり以前より葬儀は簡素化されご家族だけでのお見送りに特化して安価を前面に出す広告が増えました。お墓も核家族化や土地の高騰や管理や継承の難しさからマンション墓と呼ばれる室内自動搬送式納骨堂や樹木葬や合葬などの広告が目立ちます。
簡素化され、閉ざされていく葬儀。人生閉幕の儀式を故人が関わった少しでも多くのかたに「笑顔のご挨拶」を提供できる方法のご提案で故人はもちろん、人生でご縁をいただいたかた、しいてはまだ見ぬ未来のご子孫に及ぶまで喜び懐かしんでいただきたい─
人生の閉幕の儀式ではなく人生を遺す儀式へ。
それが私たち「Yeeh!(遺影!)」開発スタッフが考えることです。どうか葬儀やお墓で悩む皆さんの新たなヒントになれば、本書を読んで葬儀やお墓について違う角度からの考えを持つきっかけになれば幸いです。
【目次】
まえがき
●葬儀編
ネット葬儀が登場⁉︎
生きてるうちに考える(当たり前ですが)
葬儀の役割とは
かつて葬儀は「子の体裁の見せどころ」
葬儀でいちばん大変なひと
プロの仕事とは
各種葬儀のメリットとデメリット
来世の肩書き? 戒名の闇
葬儀不要、戒名無用
無宗教での家族葬の注意点
葬儀版ゼクシィ
あなた自身の葬儀
ひとの訃報で知る故人と自分の関係や立ち位置
遺影の役割
私たちYeeh!の少しだけ新しい葬儀
物を遺す罪
●お墓編
葬儀のつぎに待ち受ける難題
墓参り教
世界で一番高い「借地」
骨つぼデカっ…!
お墓って死んでからのお家?
墓前で涙
約4割がお墓難民?
お友達やペットといっしょに
遺骨も一緒にお引っ越し
親は仏教、私はキリスト教、子どもや子孫は?
墓なんか要らない
いったいお墓ってなんだろ
私たちYeeh!が考えるお墓
エンディングノートやSNSでできないこと
未来へのタイムカプセル
ペットにも
あなたならどんなふうに作る?
改めてYeeh!導入手順
あとがき
巻末資料 Yeeh!サイトご案内と登録手順