2008年1月、運命のいたずらにより、中国広東省の深圳で覚醒剤を購入し、ニュージーランドへと密輸しようとした日本人。しかし、オークランド国際空港での税関検査にて計画は頓挫、彼は逮捕される。その後、彼を待ち受けていたのは、窓もない狭い取調室での厳しい尋問だった。

この書籍は、言葉も文化も異なる地での生々しい体験と、法の網の中で葛藤する一人の人間の心理を描き出す。逮捕から尋問、そして予期せぬ滞在に至るまでの彼の旅路を、リアルで生々しい視点で追体験することができる。刑事たちの人間性、国際的な犯罪の現実、そしてそれに立ち向かう一人の日本人の心理戦を、緊張感溢れる筆致で綴られている。

【目次】
はじめに
「ホテル」
「中国・深圳」
「取引」
「ニュージーランドのホテルと香港人」
「香港人からの電話」
「オークランド警察」
「裁判所」
「弁護士面会」
「拘置プリズン、自殺防止ユニット」
「日本領事館顧問弁護士」
「オフィサー側の勘違い」
「ACRP（未決プリズン）への移動」
「ACRP　メディカルユニット」
「振り込め詐欺」
「アジアンユニット」
「香港人」
「韓国人　チョーとの出会い」
「初めてのトラブル」
「日本への3WAYコール」
「ファミリーデー」
「同房人のベトナム人」
「覚せい剤96キロを密輸した上海人」
「リーの携帯電話」
「初公判」
「お別れ」
「マウント・イーデンプリズン既決区」
「センテンスプラン」
「移送」
「頭を7針縫う」
「トレーニング」
「日本人クリスチャン女性との出会い」
「消える郵便物」
「クリスマスとボクシング大会」
「おしるこ作りとうまく炊けたごはん」
「チョーとの再会」
「アダルトＤＶＤ」
「ACRP　ランドリーへ移動」
「V８タトゥー男」
「ロレックス紛失とランドリー」
「チョーとの再々会」
「メタボとのケンカ」
「紛失？盗難？ロレックス」
「大恩人　ちづこさんとの出会い」
「サモア3兄弟との別れ」
「ヘビー級、プロボクサー」
「ファミリーデー」
「メタボと再バトル」
「日本人4人、覚せい剤密輸で逮捕」
「バーベキュー」
「リムタカプリズン」
「12年刑の中国人」
「二度目のクリスマス」
「ダック（カモ）」
「ボクシングデー」
「ユニット移動」
「自殺未遂」
「昔の彼女」
「けが、入院」
「手術」
「仮釈放審査」
「英語検定テスト」
「二度目の仮釈放審査」
「お別れパーティー」
「出所」
「ちづこさんとバーナードさんの面会」
「ちづこさん、リツさんの手作り料理」
「帰国」
おわりに